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きゅうはさまゼニタナゴをふくげんするかい
〜美土里ネットによる在来魚復元の記録とボランティア活動記録11〜


(旧北上川)

生きもの写真


(撮影日:平成22年3月,撮影場所:涌谷町)

 カラが青に輝く綺麗な二枚貝(イシガイ)を見つけたので、写真に収めてみました。


(撮影日:平成22年3月,撮影場所:涌谷町)

 保全池では年中サギや水鳥が来ています。聞くところによると、水鳥は思いの外サカナを補食するようで、全部食べてしまわないか心配になります。水鳥と良く出合うということは、獲物のサカナも生息しているということだと思うようにしています。こういう自分にとって都合の良い考え方(前向きな考え方)が、こういう結果をもたらしてきたような・・・。しかし、鳥からの捕食を防ごうにも対策がありません。

 人間が網を持ってサカナを追いかけ回してもほとんど捕れないのに、彼らは細いくちばしでサカナを簡単に捕食してしまうのに驚かされます。


(撮影日:平成22年4月,撮影場所:涌谷町)

つくし
(撮影日:平成22年4月,撮影場所:涌谷町)

タンポポ
(撮影日:平成22年4月,撮影場所:涌谷町)


(撮影日:平成22年4月,撮影場所:涌谷町)

 底の浅い水路には、両生類の幼生がいました。水際に100匹以上いたと思います。糸状のエラが出ているので、オタマジャクシではありません。イモリなのかそれともサンショウウオの幼生なのか。小さい幼生が水際にたくさん張り付いている光景に感動しました。

両生類の幼生
(撮影日:平成22年4月,撮影場所:涌谷町)

真夏の池

 春に更新してから随分と時間が経って、もう夏になってしまいました。連日猛暑が続く真夏です。池はご覧のように水が落とされています。マコモとオオフサモの群落が発生しています。水温が高く、水位が低いためトチカガミは生育しないようです。



 この池も造成して相当期間が経ち、水深の深い部分にはヘドロが堆積するようになってしまいました。また、昨年の秋にゼニタナゴの生息が確認できず、ゼニタナゴ復元が完全失敗に終わってしまったため、今後の方針について熟慮する必要があります。

 この小さな池をずっと見つめてきて、人間が手を加えても思い通りにするのは難しく、手を加えなくとも、生態系を維持するのが難しいということを教わりました。

ゼニタナゴ浮上せずゼニタナゴ復元できず

 保全池はゼニタナゴを復元する目的で造ったのですが、最終的にはジュズカケハゼ、タイリクバラタナゴ、メダカ、ドジョウの魚が生息しました。ほかに、淡水エビ(ヌマエビ、スジエビ)、アメリカザリガニ、カエル類、サンショウウオ類、イモリ類、水棲昆虫類、二枚貝(ドブガイ、イシガイ)が生息していたものと思われます。池で二枚貝の再生産にも成功していたので、ゼニタナゴの繁殖に失敗した以外は、相当多様な種が生息する環境を復元できたと思います。

ジュズカケハゼ
(撮影日:平成22年6月,撮影場所:涌谷町)

 タイリクバラタナゴとメダカ、淡水エビ、ジュズカケハゼの繁殖力には驚かされました。そして絶滅危惧TB類のジュツカケハゼが、意図せず大繁殖してしまったことにはほとほと恐れ入りました。ジュズカケハゼが大繁殖してしまうと、繁殖の機会が一年で一回しかないゼニタナゴの稚魚は、すべて補食されてしまいます。

 ゼニタナゴをどのようにすれば復元することができるのか。どちらかというと、考えるより先に行動という実践主義?で数年間やってきました。しかし、結果的に、絶滅危惧TA類のゼニタナゴに対して、実践だけでは太刀打ちできませんでした。80m2程度の小さい池でも人間の力でコントロールする事は、とても難しいことだと実感しました。さすが、絶滅の一歩手前の種だけのことはあります。このゼニタナゴを養殖させている養殖業者さんにも頭が下がります。

 ジュズカケハゼも黒とオレンジの体色をしておりとてもキレイで、とても愛嬌のある顔をしています。イモリやサンショウウオもそれぞれ、よく見るとのっぺりとしてカワイイ姿かたちをしております。淡水エビもなかなかおもしろい動きをします。みんなそれぞれ特徴があって面白いものです。

ジュツカケハゼ,タイリクバラタナゴ,メダカ,ドジョウ
(撮影日:平成22年6月,撮影場所:涌谷町)

ゼニタナゴのイラスト
(無念の気持ちを込めて)
(体型がタイリクバラタナゴっぽいですが…ゼニタナゴのつもりです)

 惜しみない協力をして頂いた地元の方々に対しては、ゼニタナゴを繁殖させて結果を出したかったという思いがあります。長い間このサイトをご覧になって下さった皆様、的確なご批判や指摘をして下さった皆様、陰ながら応援してくれた皆様、ありがとうございました。


〜平成弐拾弐年九月三拾日〜

ため池の池干し

 ゼニタナゴ復元は完全に失敗してしまいましたが、旧迫川右岸地域の環境保全活動は続いています。今回は、農地・水環境保全向上対策組織、旧迫川右岸環境保全推進協議会主催のため池の池干しについて報告します。

 平成22年8月28日(土)、涌谷町小里のため池で、池干しを行いました。事前に地元の方々にチラシを配り準備していましたが、ほとんど人が集まりませんでした。地元の方によると、少なくともここ50年間は全く池干しをしていなかったそうです。田んぼへの用水時期も終わりになることから、この日池干しを行いました。


(ため池の底に貯まった水を取水口に落とすために堀を作っています)

 前日まで徐々にため池の水は落とされ、ため池の中央にわずかに残った水を、水抜き用の孔まで流れるように、泥に板柵で小さな排水路を作って排水しました。泥がかなり堆積していたため、作業はとても重労働となりました。泥の中を胴長を着て歩くだけでも相当な体力を消耗します。しかも、この池干しの日は猛暑でした。胴長の中は汗でびしょ濡れ状態です。

 そうしてようやく、池に生息していた鯉と鮒が姿を現しました。他にも遠目にジュズカケハゼとヌマエビとおぼしき大群が見えました。なんとか網ですくえる状態になってから、タモ網で鯉と鮒を捕獲してはバケツに入れ、他の池に運ぶ作業を行いました。鯉はかなり大型化しており、生きのいい泥にまみれた鯉がビチビチと体を動かすと、泥が周囲に飛び散り作業員は泥だらけになりました。


(堀ができたのでため池の水が抜けています)

 目分量で確認したところ、このため池には鯉が10匹程度、鮒は400匹程度生息していたものと思われます。他の小さな魚の数は確認できませんでした。

 これからしばらく池を完全に干した状態にし、ヘドロをばっ気させ、泥の有機分を少しでも分解して、池の環境を改善していきたいと思います。


(ため池に生息していた鯉と鮒を捕獲します)

 池干しには、胴長やタモ網さで網に加え、魚を根こそぎ取れるような大型の網、堆積した泥を排水口まで通すために必要な柵渠を作るための板と杭、杭打ちハンマー、舟、ライフジャケット等が、干す池の規模によって必要だと感じました。結構な道具が必要です。あとはなんと言っても人力が必要です。また目の細かい網ですと、泥をすくってしまい、魚を捕るのに苦労します。魚を捕獲するときの適当な水深というのもありそうです。池干しにも色々と段取りノウハウが必要だと感じました。

 この日の作業で、若者より、おじさんクラスの年代の方々の方が体力があったように思えました。帰り、道路の気温計を見ると34℃を表示していました。


(天候などの影響もあり池を完全に干すのは難しいようです)

 完全に池を干すというのも難しいものです。どうしても、水が流れ込んできたり、水が湧いてきたりして、完全に池を干すことができません。ポンプで排水できればいいのですが、山の中なので電源もありませんし。どうしたものか。とにかく、50年ぶりの池干しでした。池干しは、池の環境改善と共に、時代と地方によっては、ため池の底の泥を、下流の田んぼに流して土壌改良をしたり、池の魚を貴重なタンパク源にしたと思われます。


(2010年10月25日)

古川駅のタイリクバラタナゴ

 古川駅の新幹線コンコースには、シナイモツゴと鉄魚が展示されています。たまに、古川駅から新幹線に乗るときには、水槽の地味なシナイモツゴと優美な鉄魚を眺めて楽しんでいました。

 秋頃、久しぶりに古川駅を利用すると、水槽が3台に増えており、なにやら見覚えのある魚影が見えました。一瞬「ゼニタナゴか!」と思いましたが、近寄ってみると、水槽の壁面に魚が人懐っこく寄って来て、それらがタイリクバラタナゴということが解りました。

 さすがはタイリクバラタナゴです。神経質で水槽の隅に固まって動かず、近くを人が通ると、まるでパニックのように動き回る野生のゼニタナゴとは、まったく性質が違います。圧倒的な繁殖力に加え、このどこへでも適応できる性質が、東北の在来タナゴと競合し、駆逐していった原因の一つなのではないかとも思えます。



 人が近づくと、エサをもらえるものだと思って?寄って来ます。すっかり人に慣れたタイリクバラタナゴです。タイリクバラタナゴでも県内の生息場所によって、形や色などが微妙に違っていて面白いものです。

古川駅のタイリクバラタナゴ水槽


(平成22年11月24日)

ゼニタナゴ保全池から魚と二枚貝を撤去

 地主様のご厚意で貸していただいた休耕田を池にして、ゼニタナゴの復元を試みて来ましたが、ゼニタナゴは復元できませんでした。そして、地主様が来年から復田したいということで、ゼニタナゴ保全池は今年度で終了することになりました。せっかくのご厚意で貸していただいたにもかかわらず、復元できずに「ゼニタナゴ保全池」が名前倒れで終わってしまったのは、とても残念です。そして、土地を使わせて下さった地主様には感謝でいっぱいです。

 復田するために、池を埋め戻して田んぼに戻すので、現在保全池に生息している魚や二枚貝は埋め立てる前に撤去することにしました。二枚貝は中のタナゴの卵と仔魚を抜いてから、二枚貝が継続的に生息できそうな近傍の場所に放流する予定です。採取してきた場所に戻すことも考えましたが、採取してきた場所では、十分に二枚貝の再生産が行われており、二枚貝を戻す必要はないと判断しました。

 ということで、平成22年11月22日、有志が集まって、水を落としたゼニタナゴ保全池で、魚と二枚貝の採取作業を行いました。


(排水口付近で、三角網でオタマジャクなどを捕まえてポリバケツに入れる作業です。)


(水を落としたゼニタナゴ保全池)

 水面下にあった池の側面は、アメリカザリガニの巣穴だらけです。結構硬い土層なのですが、容赦なく何百もの巣穴が側面に開けられています。ここはいくら巣穴が深くとも漏水する恐れはないのでよいのですが、田んぼの畦畔(けいはん)や土水路、ため池堤防の法面(のりめん)に孔を開けられたら、農家は漏水で大変苦労します。また、ため池だと破堤する恐れすらでてくるのです。外来生物アメリカザリガニ恐るべしです。


(遠藤事務局長自ら三角網で魚の救出作業です)


(採取された大量のオタマジャクシ)

 そして池で大量に捕れるオタマジャクシ。恐らくは、ほとんどウシガエルのオタマジャクシだと思われます。ポリバケツいっぱいに捕れました。池の優占種となっています。ウシガエルも食用として移入された外来種ですが、食用になることもなく繁殖力ばかり旺盛で困ります。

 さらに、ブラックバスなどと違い、陸上を歩いて移動できるので、進入を防ぐのが困難です。アメリカザリガニも同様です。オタマジャクシがこれだけ増えると、オタマジャクシと同じ環境に住む在来魚の増殖が制限されると考えられます。そして、ウシガエルの成体もアメリカザリガニもエサとして大量の在来魚を食べてしまうでしょう。

 在来魚を保全していくのには、ウシガエルのオタマジャクシとウシガエル、アメリカザリガニのみを選択して駆除する手法や、これらが増えすぎないように捕食してくれる在来肉食魚の存在が必要だと感じました。


(タイリクバラタナゴとカネヒラ)

ウシガエルの成体
(冬眠中?だったウシガエルの成体)

 この日、二枚貝を300個程度、ウシガエルのオタマジャクシを数千匹程度、タイリクバラタナゴを300匹程度、カネヒラを30匹程度、ジュツカケハゼは100匹程度を当て推量ですが池から救出しました。二枚貝は泥の中に潜ったものや稚貝は発見が困難なので、実際はもっと生息していたと思います。

 捕まえた特定外来種のウシガエルは放流するわけにいかないので、道路際の雑草の肥やしとしました。タイリクバラタナゴとカネヒラも、外来種と国内移入種なので、ジュツカケハゼなどと共に、淡水魚好きの方に、観賞魚用として引き取ってもらいました。他に、数は少ないのですが、ドジョウなども確認できました。冬眠のため大半は泥の中にもぐってしまって発見できなかったのだと思います。また、メダカと淡水エビも生息していたものと思われます。

 この日、池干しした結果、この池はウシガエル(オタマジャクシ含む)、アメリカザリガニが池の優占種になっていたものと考えられます。またタイリクバラタナゴの数が前年に比べとても少なくなったと感じます。ウシガエルやアメリカザリガニが増える環境だと、繁殖力旺盛なタイリクバラタナゴすら、数を減らしてしまうのでしょうか。ウシガエルやアメリカザリガニの数を、ある程度抑える手法が必要です。ザリガニとオタマジャクシのみを選択的に駆除できる、カゴ網などはないものでしょうか。

 手間暇をかけて管理して、ウシガエルとザリガニなど外来種を駆除していけばよいのですが、手間暇をかける余裕というものがなかなかありません。高齢化、少子化で管理もままならない農村で、なるべくメンテナンスフリーに近い状態で、ため池を在来魚でいっぱいに復元できないものかと考えています。逆にメンテナンスフリーに近い状態で復元できる手法を開発しないと、毎日仕事として魚を保全作業ができる環境保全団体や学術研究機関は別として、一般の農村地域で在来魚を復元することは難しいと考えています。

 何種類もの在来魚類を、肉食性の魚類も含め、ちょうど良い割合で放流して、ウシガエルやザリガニの繁殖を抑えるなど、簡単な方法はないものかと思います。

カネヒラのオス
(カネヒラのオス 当歳魚 体長57mm)

カネヒラのメス
(カネヒラのメス 当歳魚 体長55mm)

 このゼニタナゴを復元しようという試みを、旧迫川右岸環境保全推進協議会、旧迫川右岸土地改良区、旧迫ゼニタナゴ復元する会が中心となって進めてきたのですが、このように見事に失敗してしまいました。しかし、ゼニタナゴの復元を除けば、タイリクバラタゴ、カネヒラ、二枚貝の生息と再生産には成功しました。

 失敗例ではございますが、このホームページをご覧になられた方々が、日本の在来魚の保全や復元に役立てて頂ければ幸いです。


(平成22年11月24日)

ゼニタナゴのオスゼニタナゴのメスゼニタナゴのオスゼニタナゴのメス
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(c)2007 旧迫ゼニタナゴ復元する会 All rights reserved.
協力・後援:旧迫川右岸土地改良区/涌谷町旧迫川右岸地域環境保全推進協議会

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