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旧迫ゼニタナゴ復元する会
〜美土里ネットによる在来魚復元の記録とボランティア活動記録12〜

ゼニタナゴのオス
(ゼニタナゴのオス)

池干しを行ったため池の土砂撤去

 旧迫ゼニタナゴ復元する会という名称を、旧迫川右岸土地改良区 伊藤 前理事長(旧迫ゼニタナゴ復元する会会長)に考えてもらいましたが、実際復元できませんでした。なので、看板倒れという声や、名称と実が合っていないという指摘がありましたが、他に適当な名称も思い浮かばないことから、「旧迫でゼニタナゴを復元する会」という名称を、これからも使うことにしました。

 ところで、前回池干しを行ったため池の底に、大量の土砂が堆積しておりました。恐らくは、40年分以上の土砂です。そこで11月中旬、農地・水・環境保全の活動組織「旧迫川右岸地域環境保全推進協議会」が、堆積していた土砂とヘドロを撤去しました。土砂は長年落ち葉などが堆積して有機分が豊富なので、近くの畑に盛って再利用しました。


(ロングアームバックホウで土砂を撤去)


(池のヘドロを重機で撤去。人力ではとてもできません。)


(池のヘドロを重機で撤去。人力ではとてもできません。)


(だいたい作業終了)

 土砂を撤去してから再び、水を貯め始めました。緑色の水面に見えます。池干しと土砂撤去をしましたが、生息していたコイ・フナ類は完全にいなくなったと思います。また、幸いなことに、オオクチバスやブルーギルの外来魚は元から生息していませんでした。

 しかし池干しと土砂撤去をしても、アメリカザリガニ、ウシガエルは、土の中に潜るなどして生き延びている可能性が高いと考えられます。池干ししているときに見かけたハゼ科の魚や他にも生き延びている魚がいるかもしれません。


(落ち葉がため池の水面に浮いています)


(池干し池のヘドロの撤去を経て再び水を貯め始めたため池)

 特定の種を復元しようとしても難しいものですし、逆に池干しで完全に生き物を絶滅させるのも難しいものです。外来魚に埋め尽くされてしまったため池を干す場合、完全に稚魚の一匹まで駆除することは、ため池の規模や勾配、構造等によって、非常に難しい場合が多いと実感しています。

 池干ししてブラックバスを駆除したものの、放流した在来魚が定着せず、アメリカザリガニと巨大なオタマジャクシのみ生息しているため池もあります。これは水質、底質、水深等など複雑な条件が合わさって、そういう結果になったのだと思いますが、なんとも残念です。下の写真が、ほとんどザリガニとオタマジャクシしか見あたらない寺脇ため池です。夏の間は常に水が濁っていて、水草も生えません。詳細は活動記録8に書いています。


(ブラックバスを駆除したもののアメリカザリガニとウシガエルに占有されたため池)


(ブラックバスを駆除したもののアメリカザリガニとウシガエルに占有されたため池)

 様々な場所で農家の方々と話す機会があるのですが、何度池干ししても、数年後にはブラックバスが増えてくるということを聞きます。これは、密放流の可能性とともに、完全な池干しが難しいためであるとも考えます。また、バスやブルーギルの卵が水鳥の足などに付着して、拡散していくという話も聞いたことがあるのですが、真偽の程はどうなのでしょうか。

 各地の外来魚の繁殖やヘドロの堆積などにより環境が悪化したため池を、池干しや土砂撤去し、地元の方々が望む在来魚や水草、それらの希少種を放流するような、池干し専門の請負部隊を作れないかと思います。

 宮城県全域で恐らく一万箇所以上、それこそ、無数にあるため池を、農業用水の用途だけに使っているのは、何か勿体ない気がします。最近は転作の影響や、土地改良事業によって、ため池に農業用水を頼らない農地も増えました。さらに、開田や山間の谷戸などが耕作放棄地となり、その上流にあるため池が利用も管理もされず、決壊や破損の危険が出てきているため池すら見かけます。何か他に有効な利用方法がないものでしょうか。


<転作田について>

 コメの供給が多く、需要が少ない中で、田んぼで稲以外の作物を栽培することを転作といいます。転作している田んぼを転作田といいます。転作作物として代表的なのは大豆、麦、牧草などです。田んぼの土質や排水条件(水はけ)などで、転作作物の収量が左右されます。中には、ぬかるんだ土質を利用してハス(レンコン)を栽培したり、ジュンサイを栽培したりしている農家もあります。この中で、ジュンサイについては、冬期の水の供給が可能な場所であれば、メダカやドジョウ、タナゴ、二枚貝などとの共存が可能だと考えています。ジュンサイを転作している農家はないものか。


<クニマスについて>

 ところで、田沢湖の固有種で絶滅したとされたクニマスが、富士五湖の一つの西湖で発見されたというニュースがトップで放送されていました。これからクニマスが増殖され、クニマスが料理として食卓などに上る日が来ることを望みます。クニマスの発見には、東京海洋大学 さかなクン 客員准教授が、イラストを描いている最中におかしいと気が付いたことで発見に繋がったそうですが、こんな偶然もあるとは驚きです。


(平成22年12月17日)

池干ししたため池に放流する魚の捕獲作業

 平成22年12月1日、池干ししたため池に放流する魚を、水路で捕獲する作業を行いました。作業は3名で、さで網を使いました。水路で2時間半ほど捕獲作業を続けて以下の表の魚を捕獲しました。

【捕獲魚類一覧表】
捕獲淡水魚数

【魚類相の円グラフ】
魚類相の円グラフ

 あわよくば何か珍しい魚など、例えばアカヒレタビラやシナイモツゴ、マタナゴ、ワカサギなどを捕獲したかったのですが、カネヒラすら捕まらず、タナゴ類はすべてタイリクバラタナゴだけでした。季節は12月、魚は越冬する時期で活動も鈍っているので、数や種類が捕れないのは仕方ないのかもしれません。かといって、生き物が活性化している夏ですと、農繁期となりますので、水路の水深と流量があり、捕獲作業が困難になるのです。真夏に胴長を着て作業するのも大変です。

 魚捕りで精一杯だったので、捕獲作業の様子や魚の写真を撮っていませんでした。

 タイリクバラタナゴは、背びれに斑点の付いている稚魚なども含め、小さな個体が多く、成魚の割合は多くありませんでした。12月になっても稚魚が捕まるということは、少なくとも11月頃までは繁殖していると考えられます。タイリクバラタナゴは春産卵だと多くの文献に書かれていますが、実際は春から冬までと、ほぼ一年中繁殖しているのは確実です。

 フナやコイも体長が10cmから15cmの小型の個体ばかりでした。捕獲作業を行った水路の水深が20cm〜30cm程度と浅く、越冬時期ということもあり、大きな個体は下流など水深の深い場所に移動していたため、小さな個体しか捕獲できなかったと考えられます。

 タイリクバラタナゴは観賞用に引き取ってもらいました。タイリクバラタナゴとカネヒラは、飼育するのが簡単で、オスは婚姻色が綺麗に出るのもあり、観賞用に人気があるそうです。フナは泥抜き後、食用にしました。コイが捕まると、すぐに農家の人が食用に?軽トラの荷台に積んで持って行ってしまうところもありますが、コイもフナも食べる文化がだんだん無くなっているのが気がかりです。その中でも、フナ釣りは根強い人気があります。

 昔の農家は、池干しをしたり、新しくため池を作ったりした後、いったいどこで魚を捕って、どのような判断でため池に魚を放流したのでしょうか。(多分、あとで食べられる、釣りを楽しめる、何も考えず近くで捕れた魚を適当に、などという理由だと思います。)また、コイは穴を掘るので、食用にしないのなら、ため池には放流しない方が良いという話も聞きます。


<メダカについて>

 田んぼと言えば、メダカです。メダカは水田の魚と言っても過言ではない魚です。しかし、ほ場整備、水路の整備等の理由により数は激減しています。農村の風景であっても、メダカを見つけることが難しくなりました。一部で水田魚道で水路から田んぼへ魚を登らせようという取り組みもされていますが、遊泳力の弱いメダカは、急勾配の魚道を上ることがなかなかできないようです。

 今更土地改良事業を行った田んぼや水路のコンクリートとパイプラインを引きはがし、用水と排水を兼用に戻すわけにも行きません。例えば田んぼと営農方法を江戸時代や昭和初期に戻す訳にもいかないのです。このような中、人為的にメダカを田んぼに放流して増やす試みが、栗原市の農地・水活動組織で行われています。(参考1参考2参考3)

 メダカが生息できる自然環境が回復するのが一番なのですが、それが難しい以上、こういった人為的な活動が生物を保全する上での重要な示唆を与えてくれているように思います。


(平成22年12月20日)

ハンバーグレストランHACHIのご飯はめだかっこ米

 毎回お堅い内容ばかりなので、今回はハンバーグレストランHACHIのことについて書いてみます。ハンバーグレストランHACHIは仙台と名取に3店を展開し、注文がきてから、ハンバーグを練って焼くという本格的なハンバーグレストランです。

 前回の記事の<メダカについて>でメダカを増やす取り組みをしている農地・水活動組織があることを書きました。詳しくはこちら(参考1参考2参考3)を見ていただくことにして。そのめだかを増やした水田で栽培されたお米が「めだかっこ米」として、ハンバーグレストランHACHIで、ご飯に使われています。

 以下の写真は、大分昔に、視察と試食を兼ねて食べに行ったときに撮ったものです。定番のハンバーグや店舗毎に異なるメニュー、月替わりハンバーグなどが楽しめます。美味しいご飯で、主菜(メインディッシュ)のハンバーグも引き立つというものです。

めだかっこ米 ハンバーグレストランHACHI
(お店でめだかっこ米の紹介がされていました)

めだかっこ米 ハンバーグレストランHACHI
(かわいいメダカのポップ)

めだかっこ米 ハンバーグレストランHACHI
(デミグラスソースハンバーグ)

めだかっこ米 ハンバーグレストランHACHI
(めだかっこ米です おかわり大盛り自由だったように思います)

 興味のある方は、ハンバーグとめだかっこ米を味わってみたらいかがでしょうか。めだかっこ米がたくさん食べられ消費されることで、メダカとその環境の保全につながって行くと思います。

ハンバーグレストランHACHIスタッフブログ
メダカのイラスト


<食と農村と経済活動について>

 昔の食糧難の時代、川は言うに及ばず、水路ため池などで魚や貝類を捕っては食べていました。その後、飽食の時代になり、これらを捕って食べる地域や人も少なくなりました。ただし、人々の舌と脳に深く刻み込まれたり、釣りという行為に関わったりする魚類は、研究され結果として現代でも生き残っています。鮎、ヤマメ、ウグイ、ニジマス、ウナギ、ドジョウなどは、各地の漁協、内水面試験場や各種研究機関によって、日夜研究され、種として滅びることはないでしょう。最近では、太平洋を回遊して遙か彼方で繁殖をして、川を上ってくるウナギの生態も解明されつつあり、さらにウナギの完全養殖まで技術的に可能な段階にきているそうです。

 しかし、食べらたり釣られたりすることのあまり無かった魚、繁殖力の弱い魚は、産業や経済活動と離れ、非常に数が少なくなっています。その中のいくつかは野生種が絶滅する危機や、種としては残るものの、水系特有の集団が消えてしまうものも出てきそうです。しかし、保全に利用できるであろうため池や水路は無数にあります。もちろん土地改良事業やその他の工事によって、魚類にかかわらず、生物の生息にとって厳しい環境が多くなったことは否めません。その中、各地で、特に希少魚の保全などを行う個人や団体が増えてきています。

 希少魚となるのは、人間にとって有益とは見なされなかった魚が多く、経済活動とほとんど無縁です。そのため、保全に関わる人たちは淡水魚好きな人が多く、ほとんど手弁当で行っているのだと思います。この会も同じようなものでしょう。もちろん、淡水魚好きな人を増やして、無償で魚を保全できれば、良いのですが、それだけでは、私は不十分に感じます。

 私は、魚類なりその他の生物を含めた環境保全の活動を、何とかして経済に結び付ける必要があると思っています。世の中淡水魚に興味のある方ばかりではありません。鳥が好きな方、昆虫が好きな方、色々各個人で好きなモノなどはあるでしょうが、淡水魚の好きな方は、かなり少ないでしょう。なので、魚類や生物を保全し復元しようとするとき、淡水魚好きな人々の熱意だけでは限界があります。そのため、なんらかの種の保全を、広い地域へ展開していくことは、かなり難しいことだと思っています。

 その狭い区域ですら、目的の種を復元できなかった私が、ここでこのような事を書くのも真に僭越なのですが、その淡水魚の保全、復元をどうにかして人間の経済活動と繋ぐことができないかと考えています。例えば、タナゴ類は苦い魚であまり食用にはされていませんでしたが、佃煮などに加工されて食べられています。ドジョウは今や高級品や珍味になってしまっています。魚類の保全、復元が、お金になる経済活動になれば、淡水魚好きの狭い活動から、無数にあるため池でも、それぞれの地域の方々が、お金のため、経済活動のために、活動できる可能性があります。活用されていない、無数にある池や水路が、経済活動と生産の場の大きな資産に変わる可能性があるのです。

 旧迫川の上流には蕪栗沼があります。蕪栗沼はラムサール条約に登録された沼であり、冬にはたくさんの渡り鳥がやってきます。しかし、沼の沼の水質は汚く、毎年、水質の汚れた全国の湖沼に、蕪栗沼は同じ宮城の伊豆沼・内沼とともに名を連ねている状況です。

 夏場、蕪栗沼にはうっそうとヨシ、アシなどの植物が茂ります。利用されなければ、それらは、冬に枯れてから沼に沈み、やがて有機分の多いヘドロとなり、沼の環境を悪化させます。燃やすという手段もありますが、確かに害虫などの駆除ができて一定の改善はされるでしょうが、灰の中に含まれたリンやカリウムは沼に残りますので、沼の富栄養化を完全に防ぐことはできません。また、植物という形で空気中の炭素が固定された熱エネルギーを、まったく無駄にしてしまうということもあります。

 では、蕪栗沼で枯れた植物を、沼の保全を願う人や鳥好き魚好きな人達で刈り取ればいいのかというと、難しいでしょう。人的に困難と言わざるを得ません。しかし、薪として刈り取られて、他の場所で使われれば熱源となります。植物を刈り取り、別の場所で腐らせれば肥料にもなります。沼から枯れ草を刈り取って別の場所で使うという単純なことを、経済活動にすることができれば、沼の環境を改善することができます。実際、蕪栗沼では、枯れ草から燃料用のペレットを作るという事業が可能かどうか、試されているようです。

 魚や他の生物なども私は同様だと考えます。経済活動に結び付くからこそ、結果として保全や復元が広まると思っています。人間の経済活動によって、窒素、リン、カリウム、などの栄養塩類の循環も起こります。その結果環境が改善されることが期待できます。

 ただし、そもそも採算をとれるようにすればいいのか。需要はあるのか。需要がなければどのように需要を喚起すれば良いのか。「投資額<生産額」になるのか。「投入するエネルギー<生産されたエネルギー」になるのか。などの課題に、何も提案をすることができません。

 ドジョウの唐揚げ、ザリガニの塩ゆで、フライドウシガエル、モツゴやタモロコの天ぷら、タナゴの佃煮、そういったことが出来て、一般の方の口にはいるようになり、一般の方々に認知がされ、消費活動と生産活動の両方が成り立ってこそ、保全活動が進むと考えています。



(平成23年1月26日)

大震災と終了したゼニタナゴ保全池のその後

 6月上旬、復田するため終了したゼニタナゴ保全池と、仔魚抜きしてそのままにしている二枚貝の様子を見に行ってきました。

 ところで、この宮城県では3月11日に東北地方を大震災に見舞われたため、た田植えが遅れています。6月になっても苗を積んで田植えに向かう軽トラックを見かけました。

 津波に襲われたり排水のままならない沿岸部は壊滅的な被害を受けましたが、内陸部の農地、農業用施設は、田植えが何とか出来ていることから、比較的被害が少ないように思えます。沿岸部は広大な農地が、まるで海のようになってしまっている場所もあり、復興ができるのだろうかと非常に心配になります。



 大震災が起ころうが雑草の勢いは変わりません。



 池の底だった場所にも草が生えてきています。



 二枚貝の貝殻が見られます。「兵どもが夢の跡」といった趣です。



 池は干されても、しぶとく生き延びていたザリガニです。



 放流する予定だった二枚貝です。タイリクバラタナゴとカネヒラの卵や仔魚を抜くために、長期間農業用排水マスに袋とカゴに入れて保管されています。このマスに上流や下流からタナゴが進入して、新たに産卵する可能性もありません。

 袋を開けて確認してみると、二枚貝の生存率は非常に良いようです。ゼニタナゴ保全池が終了したので、他に適当な池を見つけて放流しなければなりません。


(平成23年6月1日)

仔魚抜きした二枚貝をため池に放流

 平成23年6月上旬、二枚貝の中のタナゴの卵と仔魚を抜くために、長い間農業用のマスに沈めて保管していた二枚貝を、ため池に放流しました。さすがに、一年以上マスに沈めておいたので、タイリクバラタナゴの卵や仔魚は二枚貝に入っていないはずです。

 ゼニタナゴ復元が失敗して保全池も終了したので、使うあてが無くなったのですが、このまま二枚貝を利用しないのはもったいないと考えました。同水系で改良区管内にある、ブラックバスとタイリクバラタナゴの生息していないため池に放流しました。

淡水二枚貝-イシガイ-

 ネット袋から取り出した二枚貝です。長い期間保管しておいたのですが、生存率は非常に高く、ほとんど死んでいる二枚貝はありませんでした。死んだ貝は寿命なのではないかと考えています。写真には写っていませんが、ドブガイは採取した時よりも明らかに大きくなっていました。どうせなら、二枚貝に印を付けて貝長などを測っておけばよかったのですが、後のまつりです。

淡水二枚貝-イシガイ-

 放流した二枚貝です。ドブガイ20個、イシガイ150個を放流しました。ため池という止水域に放流するので、ドブガイを主に放流したかったのですが、ドブガイの数が少なかったのでイシガイを中心に放流しました。マツカサガイは、放流するため池の条件を見て、放流しませんでした。

淡水二枚貝-イシガイ-

 放流した場所で、二枚貝の再生産が行われるのを願っています。また、二枚貝が再生産される良好なため池の環境を維持するための管理を考えて実行しなければなりません。継続的に、大量のタナゴ類が繁殖しているため池も、少ないながらもあることから、それの管理の仕方を地元の方々に聞いて、参考にしたいと思います。

 今回で、保管していた二枚貝を全量放流したわけではありません。二枚貝はまだ余っているので、今後、他の適当なため池にも放流したいと考えています。


(平成23年6月10日)


 その後、二枚貝を放流したため池で、かご網を使い、タナゴが採取されるかどうか確かめてみました。放流してから二ヶ月近く経っているので、二枚貝の中にタナゴの仔魚が存在した場合、二枚貝から浮上して成長したタナゴの稚魚が捕獲されるはずです。何度かご網で捕獲を試みても、タイリクバラタナゴ、カネヒラ等のタナゴ類は、捕獲されませんでした。

 二枚貝と二枚貝の幼生が寄生するヨシノボリをタナゴから隔離された状態で飼育し、二枚貝を稚貝から育てる手法で、完全に無垢な二枚貝を養殖できれば良いのですが、それは非常に困難です。なので、簡易的ですが、採取した二枚貝を農業用のマスなどに長期間放置し、タナゴ類の卵と仔魚を抜く手法は有効ではないかと思います。

 ゼニタナゴの復元が失敗に終わり、ゼニタナゴ保全池も復田するために終了したので、、二枚貝の中の仔魚や卵の有無は関係ないのかもしれません。しかし、上流部のため池で、カネヒラやタイリクバラタナゴなどの、移入種や外来種が繁殖し、それらが下流へ供給されることは防ぐことができるのではないかと考えています。ハゼ科の魚が生息していれば、ため池で二枚貝が再生産され、下流へ稚貝が供給されることにもなります。

 タナゴの稚魚が成魚になる9月頃、もう一度、確認をしてみたいと思います。


(平成23年08月01日)


 8月上旬、二枚貝を放流したため池に再度、カゴ網を入れて確認してみました。結果、大量のザリガニ、ウシガエルのオタマジャクシ等と共に、カネヒラ(体長5〜6.5cm)が4匹捕まりました。一生の不覚です。原因は、放流した二枚貝の中に、おそらくカネヒラの仔魚が入っていたためです。

 二枚貝は、採取してから1年以上農業用のマスに浸けて置き、仔魚は完全に抜けたはずでした。ところが、昨年12月に、終了したゼニタナゴ保全池から採取した二枚貝も別の袋に入れ、同じ農業用マスに沈めておいたのですが、放流するときに袋を取り違えていたのです。初歩的で重大な間違いをしてしまいました。

 しかしながら、大量の肉食の捕食者(ジュツカケハゼ、ザリガニ、ヤゴ等)が生息しており、さらに水草もなく、稚魚が隠れようもないため池であるのにも関わらず、浮上したカネヒラの稚魚が生き残っていた事実に驚きました。さらに、放流した時期からちょうど2ヶ月の期間の間に、体長が5〜6.5センチになっており、完全な成魚になっている成長速度にも驚きました。

 また、昨年12月に採取した二枚貝の中にカネヒラの仔魚が入っていたとしても、通常の環境下では4月〜5月には二枚貝から稚魚が浮上して、二枚貝の中は空になるはずです。ところが、最上流端の水温の低い農業用マスに二枚貝を沈めて置いたために、カネヒラの稚魚浮上する時期が、二枚貝を移植した6月以降にずれたという原因が考えられます。

 とにかく痛恨の極みの中、今のところ、外来魚のタイリクバラタナゴが確認されないのが唯一の救いです。焦らず、真夏の今から稲刈り時期以降に放流していれば、昨年の12月に採取した二枚貝であっても、仔魚は入っていなかったはずです。

 開き直って、カネヒラのタナゴ釣り堀にするとか、3年モノの巨大なカネヒラを大量生産してしまおうなどと、邪(よこしま)な?考えも頭をもたげますが、東北の水路とため池が、国内移入種と外来種ばかりになっている中、例え非現実的な目標であって、東北在来魚をため池で保全し管理していく手法を追求するのは無理なことなのでしょうか。

 また、今回の件や以前のゼニタナゴ保全池の件も含めて、仔魚の含まれた二枚貝の移植に伴うタナゴの繁殖は、割と順調だということが言えると思います。ゼニタナゴの稚魚を放流して繁殖を試みた件は失敗しました。しかし、ゼニタナゴやタイリクバラタナゴ、カネヒラに限らず、移植する種類のタナゴの卵や仔魚が含まれた二枚貝を移植するという方法を使えば、移植が稚魚の放流や親魚の放流よりも、高い確率で移植できるのではないかと思われます。

 もちろん、繁殖力と適応能力の高いカネヒラと、タイリクバラタナゴのみが含まれた二枚貝の移植にだけ、当てはまる可能性もあります。そして、二枚貝に東北の在来のタナゴのみに産卵させるということ自体が、非常に困難な事と言わざるを得ません。

 今後も、二枚貝を放流しカネヒラが確認されたため池の経過を観察していきたいと思います。


(平成23年08月15日)


池干ししたため池にドジョウなどを放流

 平成23年6月14日、昨年池干しして土砂撤去を行ったため池に、ドジョウ、メダカ、淡水エビを放流しました。昨年12月に、池干ししたため池に放流する魚を一度採取したのですが、前に書いたとおり、ほとんどフナとタイリクバラタナゴしか捕まりませんでした。タイリクバラタナゴは外来種ですし、フナやコイは当たり前過ぎて面白くないので、池干ししたため池には何も放流していませんでした。

ドジョウ
(かわいい普通のドジョウ)

シマドジョウ
(少し珍しい馬面のシマドジョウ)

 季節も夏にさしかかり、水路などにも魚が戻ってきたので、まずは底生魚のドジョウを捕まえ、ドジョウ50匹程をため池に放流しました。ドジョウは、ドウにエサを仕掛けて捕まえました。雨上がり水量の増えた水路には、多少の落差や水の流れの速さもものともせず、ドジョウがたくさん登ってきます。

ため池
(放流したため池)

ドジョウの放流
(ドジョウ)

ドジョウの放流
(ため池に放流する改良区事務局長・ゼニタナゴ復元する会副会長の遠藤)

 今は外来種のカラドジョウも広まっているようですが、上流部の閉鎖水系で採取したので、放流したドジョウの中にカラドジョウはいなかったようです。まとまった数のシマドジョウも採取できれば、それも放流したいと考えています。ホトケドジョウは捕まえられません。

 以前にも書きましたが、ドジョウは高級食材です。個人的にドジョウの唐揚げ、天ぷら、ドジョウ汁は食べたことがあるので、いつか甘辛く煮付けたドジョウ鍋に、涌谷産の仙台小ネギをどっさりと入れて、味わってみたいものです。

 NPO法人田んぼの岩渕先生によれば、「ドジョウ1匹ウナギ1匹」と言われる程、ドジョウ1匹のビタミンミネラル分は、ウナギに匹敵するほど豊富で栄養価が高いのだそうです。ところで、キレイな水質の環境に住むホトケドジョウはあまり美味しくないそうです。そしてシマドジョウの味はどうなか、いずれこちらも食べ比べてみたいものです。

駒形どぜう|どぜう料理・くじら料理(東京浅草にあるドジョウ料理の老舗)
どじょう通信(ドジョウ)|島根県安来市(ドジョウ養殖場・ドジョウ料理のレシピなど)

 それから、メダカ30匹程度と淡水エビ(ヌカエビとスジエビ)50匹程度も放流しました。ドジョウは仕掛けで簡単に捕れるのですが、メダカと淡水エビはタモ網やさで網を使って採取しなければ、なかなか捕れないので大変な作業でした。

 二枚貝の幼生(クロキディウム幼生)の寄生先として、ドジョウとメダカには二枚貝の再生産にも貢献してもらいたいものです。しかし、ヨシノボリやジュズカケハゼなどのハゼ科の底生魚と異なり、ドジョウには寄生するのかどうか判らないのが残念です。

 スジエビ、ヌカエビがこのため池で増えた頃、笹や杉枝などを束ねた仕掛けをつくってため池に浮かべ、エビ捕りをして、これも食べてみたいと思います。食べるくらい大量に捕るのは結構大変です。

メダカと淡水エビ(ヌカエビ スジエビ)
(放流したメダカと淡水エビ)

メダカと淡水エビ(ヌカエビ スジエビ)
(放流したメダカと淡水エビ)


(平成23年6月17日)

ゼニタナゴのオスゼニタナゴのメスゼニタナゴのオスゼニタナゴのメス
〒989-0281 宮城県遠田郡涌谷町小里字新折居37番地
tel:0229-45-3950  fax:0229-45-3952
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