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きゅうはさまぜにたなごふくげんするかい

〜美土里ネットによる在来魚復元の記録とボランティア活動記録16〜


(ハスの花)

流域の水路探訪

 冬になると、復興に向けて各地で工事が始まりました。特に水路工事は、農作業がなく、雨が少ない冬に行われます。

 平成23年12月から平成24年3月まで、排水路の水位も下がったため、流域各地の水路を探訪してみました。水位が下がれば、二枚貝の痕跡が見つけやすくなり、二枚貝の生息している場所には、春から夏にかけて大河川から在来のタナゴが上ってくる可能性があります。

幹線排水路
(水の少ない土水路)

幹線排水路
(二面張の水路に二枚貝が多く見られます)

幹線排水路
(両岸張りブロックの二面張水路)

 今冬はとても寒く、多くの水路やため池の水面が氷結し、水位が下がっても観察できない日が続きましたが、春に近づき観察できるようになりました。

 そして、いくつかの水路で、二枚貝を発見することができました。生きている二枚貝の大部分は、泥の奥に潜っているのでしょう。

 カラスガイ、ヌマガイ、タガイ、イシガイ、ヨコハマシジラガイの分布は、水質や水深、水位変動、底質等の様々な要因によって、大きく異なるようです。

ヌマガイ
(ヌマガイの貝殻)

カラスガイとヌマガイ
(水路工事の水替えで死にそうなカラスガイとヌマガイを救出)

 二枚貝が確認できた水路は、タナゴ類が遡上してくる可能性があるので、再び訪れてみたいと思います。


(平成24年10月07日)

ため池へ二枚貝を放流

 平成24年4月、春先になり、管内のため池へ二枚貝を放流しました。水系上流部から秋の10月に採取してきた二枚貝を放流しました。採取場所では、タイリクバラタナゴの生息が確認されましたが、秋から今春の4月まで隔離保管していたので、タイリクバラタナゴの仔魚は完全に抜けているはずです。前年は、これでタイリクバラタナゴの進入を防ぐことができました。(ただし、カネヒラの進入は許してしまいました。)

ヨコハマシジラガイ
(ヨコハマシジラガイ)

 今回放流した二枚貝は、採取した場所の水路の縦断形状と魚類の生息調査の結果、カネヒラが産卵している可能性がないので、今の時期に放流しました。

 本来ならば貝開器を使って、一個一個二枚貝の中身を確認するか、二枚貝の幼生を寄生させたヨシノボリなどの放流することによって、タイリクバラタナゴやカネヒラの移植を完全に防げる移植ができると思うのですが、この会ではいずれの手法も現在のところ困難です。

ヨコハマシジラガイ
(ヨコハマシジラガイ)

 カネヒラの仔魚が入っている可能性のある二枚貝は、前回の失敗を踏まえ、7月以降の放流を予定しています。

 二枚貝移植の失敗事例ではありますが、カネヒラの進入を許したため池で、果たしてカネヒラが大繁殖するのかどうかも気になります。宮城県でのカネヒラの生息地は、河川から水路へと回遊をする場所が多いのです。狭小なため池という止水域で、タイリクバラタナゴの様に大繁殖するでしょうか。

二枚貝(タガイ)
(ヌマガイでもイシガイでもヨコハマシジラガイでもない タガイか?)

ヨコハマシジラガイ
(ヨコハマシジラガイ)


(平成24年10月17日)

ため池のザリガニとウシガエル駆除

 ようやく6月末からザリガニの駆除作業を再開しました。昨年まではカゴ網を用いましたが、カゴ網がザリガニのハサミでボロボロにされること。加えて、一つのカゴ網で駆除できる数が限られているため、今年から、新型のカニカゴを導入しました。

もんどり
(カニカゴ1号)

 網の目合いが荒いもんどりのため、小魚や小さなエビ類は掛からず、大型のザリガニのみを捕獲しようという算段です。ため池に仕掛けたところ、今年も大型のザリガニが捕まります。

ザリガニ
(ザリガニ 鯉釣り用もしくはウナギ夜釣り用のエサになってもらいます)

 試しに、カゴ網で調査をすると、昨年放流したヤリタナゴのオス2匹、ジュズカケハゼ、大量のスジエビとヌカエビが採れました。どうやら、昨年放流したヤリタナゴは生き延びていたようです。

ヤリタナゴのオスとスジエビ
(大量のスジエビとヌカエビ、ジュズカケハゼ、昨年放流したヤリタナゴのオス)

ヤリタナゴのオス
(ヤリタナゴのオス 体長6cm)

 平成24年10月現在、6月末から累計ザリガニ215匹、ウシガエル(オタマジャクシ含む)130匹を駆除しました。しかし、ため池の岸には、大量のウシガエルのオタマジャクシが目視で確認でき、人が近寄るとウシガエルがため池に飛び込む音や、静かな時間には鳴き声も聞こえます。

 さらに、ザリガニもため池の規模から駆除し尽くしているとは到底思えず、ため池に生息する在来魚や水棲昆虫等が、非常に強い捕食圧を受けているのは間違いないと考えています。したがって、来年度以降は、期間を定めて、ザリガニとウシガエルを採り尽くすような駆除をする必要があると考えています。


(平成24年10月27日)

ゼニタナゴの日干し

 水槽で飼育していたゼニタナゴの個体が死んだので、日干しにしました。ホルマリン漬けとか高度なことはできませんし、ホルマリン漬けにすると、後ほどDNA鑑定ができないような話をクニマスの件で聞いたので、日干しにしました。

 ゼニタナゴのみの水槽で飼育していると、非常に神経質な性質で大変ですが、同じ水槽に他のタナゴを混ぜて飼育すると、ゼニタナゴも落ち着いて、エサもよく食べ、他のタナゴと同じように飼育できました。しかし、おそらく水槽の壁にぶつかってくちばしが傷つき、結果的に斃死する個体が飼育個体4匹中3匹となりました。飼育環境下で寿命を全うさせるには、もう一工夫必要なようです。

 ゼニタナゴは、絶滅の危機に瀕してから公的団体(宮城県では非営利活動法人シナイモツゴ郷の会さんと、財団法人宮城県伊豆沼内沼環境保全財団さん等)が中心となって保全活動が進み、今後宮城県のゼニタナゴが絶滅することはないと思います。なので、日干しにしてとっておいたところで、将来にわたって使い道もないのですが、一応記録ということで実施しました。

ゼニタナゴの日干し
(ゼニタナゴの日干し 1年物)


(ゼニタナゴの日干し 1年6ヶ月物)

 日干しにすると、見た目が煮干しなどとそう変わりがなく、塩をふってお酒のつまみのスナックなどに混ぜれば、知らない人は食べてしまいそうです。これを見て、タイリクバラタナゴやカネヒラなど駆除したタナゴを、全部日干しや煮干しにして、酒のつまみや味噌汁のダシにでも使い道がないだろうかとも考えています。

 駆除といっても手間暇を掛けて行うのですから、どうしても駆除したザリガニ、ウシガエル(オタマジャクシ含む)、ブラックバス、ブルーギル、タイリクバラタナゴ、カネヒラの有効な利用方法を考えてしまいます。しかし、未だ有効な利用方法は見つかりません。


(平成24年11月07日)

最良の報せ「在来タナゴの繁殖確認」

 7月末から8月に入り、目の細かいカゴ網で調査したところ、ザリガニ、スジエビ、ジュズカケハゼ、ヨシノボリ、メダカとともに、ヤリタナゴタの稚魚と思われる個体が見つかりました。確実にヤリタナゴなのか、この段階では判別できませんが、カネヒラやタイリクバラタナゴの稚魚でないことは確かなようです。

 8月1日で25mm程度の体長とは、春産卵のタイリクバラタナゴやカネヒラの稚魚と比較すると小さいです。今年はカネヒラの稚魚も小さいので、冬の寒さのために浮上時期が遅くなったのだと思います。

 結果として、このため池で、昨年放流したタナゴ類が繁殖していた事実が確認されました。タナゴ類が繁殖していたことから、二枚貝も生息できていると推測できます。この結果はとても嬉しいものです。繁殖が継続していく程度の個体数があるのかどうかなど、今後も推移を見守っていきたいと思います。

ヤリタナゴの稚魚
(タナゴ類の稚魚 体長2.5cm 平成24年7月31日撮影)

ヤリタナゴの稚魚
(タナゴ類の稚魚 体長2.3〜2.7cm 平成24年8月1日撮影)


(平成24年11月27日)

最悪の報せ「タイリクバラタナゴの生息確認」

 在来タナゴの稚魚が確認されて2日後、同じため池で外来魚であるタイリクバラタナゴが確認されました。以前カネヒラのため池への進入を許したことに続き、まこと無念でなりません。例えるなら、谷底から這い上がって、ようやく山登りの第一歩を踏みしめる感慨に耽っていたところ、再度、奈落の底に落とされた感じです。青天の霹靂です。

タイリクバラタナゴ
(タイリクバラタナゴ 平成24年8月2日撮影)

 原因は、以下のように考察しました。

1. 4月に放流した二枚貝の中にタイリクバラタナゴの仔魚が入っていた。
2.秋に水草の移植を試みたときに、水草に紛れてタイリクバラタナゴの稚魚が張り付いていた。
3.東北在来タナゴを放流したときに、タイリクバラタナゴが混じっていた。
4.人為的に放流された。
5.その他。

 原因1.について、4月に放流した二枚貝の中に仔魚が入っていたとすれば、秋に採取してから、約5ヶ月間以上隔離した二枚貝の中に、タイリクバラタナゴの仔魚が入っていることになります。この冬は非常に寒かったので、卵や仔魚が二枚貝の中、冬眠状態(仮死状態)で4月まで生き延びた可能性も考えられます。しかし、4月に放流した二枚貝から浮上したと仮定すると、タイリクバラタナゴの体長が在来タナゴ稚魚と比べ、大きすぎます。

 原因2.について、淡水魚が好むということで、ため池へ水草の移植を試みた際、水草にタイリクバラタナゴの稚魚が張り付いていた可能性もないとは言い切れません。とは言え、水草は直接投入したのではなく、水で念入りに洗っております。

 原因3.について、東北在来タナゴを放流したときに、タイリクバラタナゴが混じっていたかどうかについては、採取するときと放流するときの二度、綿密に確認しているので、可能性は限りなく小さいです。

 原因4.について、人為的に密放流された可能性も捨てきれません。採取されたタイリクバラタナゴが親魚なので、春先に移植された二枚貝から産まれた個体と仮定すると、在来タナゴに比べ大きすぎます。

 原因5.について、その他の原因として、台風の増水時に上下流部から進入したなど、僅かですが考えられます。どの原因も小さな確率ですが、積み重なると大きな確率になります。

 ヨーロッパでは、白鳥は白いものという絶対的な真理がありました。そのため、英語では"Black Swan"を「あり得ないこと」という意味で使うそうです。ところが、イギリスのオーストラリア大陸への侵出に伴い、そこで黒い白鳥「黒鳥」が発見されたことから、白鳥は白いものという絶対的真理は、一羽の黒鳥の反例によって翻されてしまいました。

 自然界、社会、政治、経済、人生、その他において、しばしばあり得ない事象、予期せぬ出来事が起こります。こういうことを、主に経済分野で、あり得ない事象が起こることを"Black Swan"「あり得ないことはあり得ない。」とも呼ぶそうです。物事が計画どおりに進む方が稀でしょう。あり得ない事象、予測できない事象の積み重ねで物事が進んでいくそうです。

<Black Swanの定義>
1.事前に予測が出来ない異常な事。あり得ないこと。
2.大きな衝撃や影響を与えること。
3.後からもっともらしい理屈や原因が付けられること。

 まずは引き続き、在来タナゴの成長と繁殖、各タナゴの生息数の動向を観察していきたいと思います。ザリガニ・ウシガエルの駆除だけでなく、タイリクバラタナゴの駆除もしなければならないとなると、気が重くなります。それほど手間を掛けられるわけでないので、効率的な駆除方法を考えるしかありません。

 また、今後、ため池に二枚貝を移植する際は、タイリクバラタナゴとカネヒラの進入を完全に防止する必要があります。そのため、今までのように、一定期間隔離補完していた二枚貝を移植するのではなく、二枚貝の幼生が寄生したヨシノボリ類を放流することや、タナゴ類の全く生息していない小池等、完全に管理された場所で二枚貝を繁殖させ、その稚貝を放流することが必要だと痛感しました。人為的な放流に対しての対策は困難です。

 ザリガニ、ウシガエル、カネヒラ対策に加え、最強(最凶)のタイリクバラタナゴ対策もしなければなりません。難しいものです。


(平成24年12月07日)


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